色と音のワークショップ
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お世話になっている輸入代理店のおもちゃ箱さんの招聘により来日された、
蜜ろうクレヨンで有名なシュトックマー社、
美しい音色のグロッケンで知られるアウリス社、
キンダーハープやライヤー、フルート(木製の縦笛)、各種打楽器を製作しているコロイ社、
の各社の代表による色と音のワークショップに参加してきました。
お世話になっている輸入代理店のおもちゃ箱さんの招聘により来日された、
蜜ろうクレヨンで有名なシュトックマー社、
美しい音色のグロッケンで知られるアウリス社、
キンダーハープやライヤー、フルート(木製の縦笛)、各種打楽器を製作しているコロイ社、
の各社の代表による色と音のワークショップに参加してきました。
各社長は皆1950年代生まれで、1970年代~80年代よりそれぞれの会社に参画してこられた方々。
いずれも五感を駆使する職業柄なのでしょうか、50代とは思えないエネルギッシュな方ばかりでした。
いずれも五感を駆使する職業柄なのでしょうか、50代とは思えないエネルギッシュな方ばかりでした。
アウリス社のシェル・アンダーソン社長のレクチャーは、実演を交えながら同社の各製品の特徴を細かく解説。
楽器作りのプロであり、演奏家であると同時に経営者である氏ならではの的確なアドバイスとともに
子供向けの楽器とプロ向けの楽器の違いについて学ぶことができました。
また、ライヤーの調律を実演していた時に話の流れで自らのお子さんにも歌ってあげていたという子守唄を披露してくださったのですが、台風一過の晴天を背に暴風で揺れる木々の音が重なって、
なんとも平和な光景でした(ここは本当に東京なのだろうか、と思ったほど)。
楽器作りのプロであり、演奏家であると同時に経営者である氏ならではの的確なアドバイスとともに
子供向けの楽器とプロ向けの楽器の違いについて学ぶことができました。
また、ライヤーの調律を実演していた時に話の流れで自らのお子さんにも歌ってあげていたという子守唄を披露してくださったのですが、台風一過の晴天を背に暴風で揺れる木々の音が重なって、
なんとも平和な光景でした(ここは本当に東京なのだろうか、と思ったほど)。
続いてのオランダ・コロイ社代表のエリック・シュピールマン氏のワークショップは、
木琴を1音ずつバラバラにしたような形のウッドブロックと打棒を一人一人に配り、
全員で輪になるところからスタート。
左隣の人が音を鳴らしたら自分は右隣の人に向かって鳴らし、
音をバンザイ・ウェーブのように隣へ伝えていくという単純なゲームなのですが、
輪唱のように音が追いかけていったり、左回りと右回りを同時にやったりしていくうちに、
大の大人たちが結構本気になって楽器を鳴らし、いつの間にか皆笑顔になっていました。
音楽は簡単に年齢を超え、楽器は大人も子供も一緒になって遊べる道具であることを改めて体感しました。
木琴を1音ずつバラバラにしたような形のウッドブロックと打棒を一人一人に配り、
全員で輪になるところからスタート。
左隣の人が音を鳴らしたら自分は右隣の人に向かって鳴らし、
音をバンザイ・ウェーブのように隣へ伝えていくという単純なゲームなのですが、
輪唱のように音が追いかけていったり、左回りと右回りを同時にやったりしていくうちに、
大の大人たちが結構本気になって楽器を鳴らし、いつの間にか皆笑顔になっていました。
音楽は簡単に年齢を超え、楽器は大人も子供も一緒になって遊べる道具であることを改めて体感しました。
他にもボディーライヤーや2音階しか出ないフルートなどを使って、
シュピールマン氏の指示で音を出すだけのゲームのような動作が
いつしか全員が楽団になって即興演奏をしているような一体感を産み出すという体験をしたのですが、
ワークショップの中でシュピールマン氏がおっしゃっていた子供に本物の音(生の音楽)に触れさせることの意味について、改めて考えさせられました。
シュピールマン氏の指示で音を出すだけのゲームのような動作が
いつしか全員が楽団になって即興演奏をしているような一体感を産み出すという体験をしたのですが、
ワークショップの中でシュピールマン氏がおっしゃっていた子供に本物の音(生の音楽)に触れさせることの意味について、改めて考えさせられました。
マクロビオティックな雰囲気の菜食弁当をいただいた後、
シュトックマー社のピーター・ピショッタ社長のワークショップへ。
大学で生物学と技術工学を専攻した後、ドイツで環境保護運動が盛んだった当時、
2年間ヨーロッパを放浪しながら地球のために働くことを模索し、バイオダイナミック農場で働いたり人智学を学んだ後にシュトックマー社に入社したという異色の経歴を持つ氏のレクチャーは少し哲学的で、
早く実習をしてくれないかなぁ・・・と正直思い始めていたその時、突如彼が持ち出した不思議な立方体。
入り組んだ2つのパーツを取り除いた残りがいくつかのパーツで連結された一つの形になっていて、
それを開くとシュトックマー社のロゴマークである六角形になり、さらにそれが表裏ひっくり返って三角形になったり六角形になったりする、という不思議な立体物。
後で写真を撮らせていただくのを忘れてしまったので、言葉ではうまく説明しづらいのですが、
それを見た時に、それまで説明されていた概念的で哲学的な話が一瞬のうちに理解できて、
いわゆるアハ体験をしたような感覚を覚えました。
(あの立方体、是非とも製品化して売って欲しい!)
シュトックマー社のピーター・ピショッタ社長のワークショップへ。
大学で生物学と技術工学を専攻した後、ドイツで環境保護運動が盛んだった当時、
2年間ヨーロッパを放浪しながら地球のために働くことを模索し、バイオダイナミック農場で働いたり人智学を学んだ後にシュトックマー社に入社したという異色の経歴を持つ氏のレクチャーは少し哲学的で、
早く実習をしてくれないかなぁ・・・と正直思い始めていたその時、突如彼が持ち出した不思議な立方体。
入り組んだ2つのパーツを取り除いた残りがいくつかのパーツで連結された一つの形になっていて、
それを開くとシュトックマー社のロゴマークである六角形になり、さらにそれが表裏ひっくり返って三角形になったり六角形になったりする、という不思議な立体物。
後で写真を撮らせていただくのを忘れてしまったので、言葉ではうまく説明しづらいのですが、
それを見た時に、それまで説明されていた概念的で哲学的な話が一瞬のうちに理解できて、
いわゆるアハ体験をしたような感覚を覚えました。
(あの立方体、是非とも製品化して売って欲しい!)
それからいよいよ実習と実演に。
黄色と青のクレヨンと画板と画用紙が配られ、
黄色を塗りつぶして "full of light" を、青を塗りつぶして "darkness" を作り、
その重なりから生まれた緑色の領域で、
黄色は "still yellow" であり、青は "still blue" であることを各自が確認しました。
それがシュトックマー社がこだわった「透明性(transparency)」なのだそうです。
黄色と青のクレヨンと画板と画用紙が配られ、
黄色を塗りつぶして "full of light" を、青を塗りつぶして "darkness" を作り、
その重なりから生まれた緑色の領域で、
黄色は "still yellow" であり、青は "still blue" であることを各自が確認しました。
それがシュトックマー社がこだわった「透明性(transparency)」なのだそうです。
シュトックマー社は創業者が養蜂家で、夏は蜂蜜を作り、冬は蜜蝋のろうそく作っていたんだそうですが、
シュタイナー学校の先生をしていた兄弟の一人がゲーテの色彩論とシュタイナー教育学に裏付けられたクレヨンの開発を彼に依頼したことからシュトックマー社が設立された、という背景があるのだそうです。
蜜蝋のクレヨンは正直高価だし、安全性>芸術性だと勝手に思い込んでいたところがあったのですが、
それは大きな間違いで、感性に訴える芸術性にこだわった製品であることがよくわかりました。
シュタイナー学校の先生をしていた兄弟の一人がゲーテの色彩論とシュタイナー教育学に裏付けられたクレヨンの開発を彼に依頼したことからシュトックマー社が設立された、という背景があるのだそうです。
蜜蝋のクレヨンは正直高価だし、安全性>芸術性だと勝手に思い込んでいたところがあったのですが、
それは大きな間違いで、感性に訴える芸術性にこだわった製品であることがよくわかりました。
次に実演してくださったのが、透明水彩絵具を使った「ぬらし絵」。
三原色の液体絵の具は素敵だけれど、正直使いこなせるお客様がどれだけいるのか疑問、と敬遠していた商品。
しかし、ピショッタ社長は明言します。
「クレヨンは滑らかな曲線を描いたり、きれいに色を伸ばすために力加減が実は難しいのに対し、
絵の具は "それが勝手にやってくれる" から、簡単に楽しく絵が描けるのです」
三原色の液体絵の具は素敵だけれど、正直使いこなせるお客様がどれだけいるのか疑問、と敬遠していた商品。
しかし、ピショッタ社長は明言します。
「クレヨンは滑らかな曲線を描いたり、きれいに色を伸ばすために力加減が実は難しいのに対し、
絵の具は "それが勝手にやってくれる" から、簡単に楽しく絵が描けるのです」
"それが勝手にやってくれる" とはどういう意味かというと、それが「ぬらし絵」で、
水に浸して湿らせた紙に水彩絵の具で描くと、
偶然の織り成す色相や、はっきりとした境界線を作らない独特の画風が生まれるのです。
社長は「何より、すぐに作品が出来上がるのが、子供たちに向いている」と言います。
水に浸して湿らせた紙に水彩絵の具で描くと、
偶然の織り成す色相や、はっきりとした境界線を作らない独特の画風が生まれるのです。
社長は「何より、すぐに作品が出来上がるのが、子供たちに向いている」と言います。
また、クレヨンと水彩絵の具を組み合わせた作品を見せていただき、
これならすぐに楽しい作品ができそう・・・というイメージを具体的に感じることができたので、
幼児教育のプロでも美術科専攻でもない私でも、新しい画材との出会いを楽しむことができたのは、
大きな収穫でした。
これならすぐに楽しい作品ができそう・・・というイメージを具体的に感じることができたので、
幼児教育のプロでも美術科専攻でもない私でも、新しい画材との出会いを楽しむことができたのは、
大きな収穫でした。
今回はおもちゃ箱さんの取引先を対象としたワークショップでしたが、
10月10日(土)から18日(金)まで行われるクレヨンハウス主催のシュタイナーフェアでも
上記3社の方々による講演やワークショップを含む様々なプログラムが体験できるそうなので、
興味のある方は是非参加してみてください。
10月10日(土)から18日(金)まで行われるクレヨンハウス主催のシュタイナーフェアでも
上記3社の方々による講演やワークショップを含む様々なプログラムが体験できるそうなので、
興味のある方は是非参加してみてください。