Fumiko’s Second Life

2008年に脱サラした主婦が開業して店を始めるまで〜始めてからの約2年間の記録

ナガオカケンメイ×大橋重臣@MATSUYA GINZA

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本日で終了の『デザイン物産展ニッポン』。
どうしても見ておきたかったので、午前授業で帰宅した息子と昼食を済ませたあと、
息子を誘ったが断られたので、留守番を頼んで銀座へ。

先に松屋に向かった妹からメールが入り、
「実演が面白かったです。3時からナガオカさんが聞き手になるそうです」
とのこと。

会期中、日替わりで全国各地の職人さんによる実演と日本デザインコミッティーメンバーによる
トークショーが開催されていたのだが、最終日の今日は別府竹細工の大橋重臣さんがフィーチャーされ、松永 真さんが聞き手を務められた第1部の後半を見た妹が、第2部でもう一度最初から見るために会場に残っていた。

2時50分に会場に着き、妹と合流。
第2部の聞き手は元々は他の方の予定だったようだが、
『デザイン物産展ニッポン』のコミッショナーであるナガオカケンメイさんがトリを務めることになったのは、
会場を訪れた人達にとっても、主催者にとっても、結果オーライのキャスティング。

竹細工と一言で言っても、竹の産地や用途によっても様々な編み方があり、
竹を編む行程以上に材料の選別から加工、その加工に必要な道具の調達・調整まで、
職人さんの仕事は多岐に渡ることがわかり、目から鱗

竹は2年で生育するので、伐採することは環境的に問題がないどころか、
近年は竹林を管理する人材が不足し、適切に伐採できない竹林が多いことの方が問題になっているのだとか。

また、強さと柔軟性を併せ持つ竹は、加工の仕方で更なる強度やしなやかさが生まれるということを
大竹さんが実演を交えてわかりやすく解説してくださり、また目から鱗

そして、銀座のデパートの展覧会に集まった大勢の多国籍な老若男女とその熱心な鑑賞ぶりに、
かねてからその活動や志の素晴らしさに一目置いていたナガオカケンメイさんが手がけられたこのイベントを
こんなにも多くの人が支持していることに、自分のことの様に嬉しく思う。

まだまだコンセプトの微調整中のcurious(キュリアス)にとって、
多くのヒントや希望をいただいたことが嬉しくて、
トークショーの終演後、ナガオカさんと大橋さんにずうずうしくもご挨拶させていただき、
お名刺まで頂戴した。

銀座松屋7階のデザインコレクションは、昔から大好きなスペースだが、
一般庶民にはちょっと贅沢なものも並んでいる。
何十年も愛用できるロングライフデザインであることを考えれば、
一つ一つお気に入りを揃える楽しみもあると言えるが、銀座だから成立しているスペースとも言える。

一方、ナガオカケンメイさんは歴史ある日本デザインコミッティーに2007年春から最年少メンバーとして
参加されているが、それはナガオカさんが主宰されているD&DEPARTMENT PROJECTにおける活動が
高く評価されてのことである。
そのナガオカさんがこの銀座松屋で展開されたこの展覧会は、
これまでの日本デザインコミッティーメンバーと違い、自分と同世代であることもさることながら、
ナガオカさんがデザインというフィルターを通して取り上げられた「その土地らしさ」を通じて
ナガオカさんの目論見通り「私たちらしさ」を感じさせてくれた。

私が妹と共に始めようとしているcurious(キュリアス)は、
"売り場を持つデザイナー" という部分では、グラフィックデザイナーである妹と一緒に展開する部分で共通項があるが、
サラリーマン社会ではハンデにもなりうる「子育て中の母」という部分と、
「生まれ育った土地に戻って来て起業する」という部分が、私達の独自性として挙げられるが、
海外のプロダクトや文化に憧れて、若い頃に海外旅行も経験し、サラリーマン生活を経て、
新たに始める私達のプロジェクトは、「ものづくりの原点」に目を向けるナガオカさんの視点から
学ぶことがたくさんある。

会場で購入した本展の公式カタログと、ナガオカさんの活動がまとめられた著書を帰りの地下鉄で読みながら、
大きく頷いたり、ワクワクしたり。

今日、間に合ってよかった。