Fumiko’s Second Life

2008年に脱サラした主婦が開業して店を始めるまで〜始めてからの約2年間の記録

1969

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昨日の定休日は、8月のcuriousのイベントでお世話になる東大泉の古書店ポラン書房さんへ。
「エホンだより」というフリーペーパーを発行しているオアナアキコさんのセレクションで、
ポラン書房さんの蔵書の中から「かがくのとも」の初期バックナンバーを中心とした昭和の名作絵本や
夏休み向け実用書をcuriousで展示・即売する、という企画の打ち合わせとDM用写真の撮影である。

ポラン書房さんの店内は、幾度となく通った図書館の児童室や小学校の図書室のような懐かしさと
学生時代に洋書を求めて神保町を探し歩いたときの匂いとが一緒に甦るような
何とも言えない居心地良い雰囲気に満ちていて、
現在の地に移転して2年あまりとは思えないほど、時が止まったような空間だった。

50余年の歴史を誇る、福音館書店の月刊絵本「こどものとも」は「こどものとも傑作集」としてハードカバー化された絵本の数々が日本の絵本文化を牽引してきたことは周知の事実だが、
一方、「かがくのとも」は1969年に創刊された、世界で初めての月刊科学絵本で、
こどものとも」より13年遅れて創刊された。
私が子供の頃に愛読し、今も手元に置いている加古里子さんの『』も「かがくのとも」から生まれた絵本であるが、創刊年の作品であったことを今日初めて認識。名作はいきなり生まれていた訳だ。

加古里子さんだけでなく、安野光雅さんや堀内誠一さんなど、大好きな作家さんの作品の初出誌を次々と目の当たりにし、店頭に出ていないものを含め、どれだけの作品に再会できるか、今からワクワク。

curiousのイベント用のラインナップ探しのつもりが、いつしか自分の趣味の世界へ・・・
Things to Make and Do』と書かれたグリーンの表紙の洋書に目を奪われ、中を開いてみると、
スミ+特色1~2色の印刷でイラストと共にペーパークラフトや手芸のレシピが書かれたハウツー本で、
印刷の素朴さとイラストの可愛らしさに、思わず連れて帰る。
後で調べると、初版は『』と同じ、1969年だった。

私が1歳の時に出版された本や、創刊された雑誌たち。
幼少の時に読んだことがあるものもあれば、すれ違うことすらなかった本が、
ある古書店の中でまた同じ時を共有している。
別々の棚でそれぞれの余生を送るか、誰かの本棚で新たな出会いを生むか、
古本ならではのドラマがそこにはあるような・・・ちょっと大げさだろうか。