Fumiko’s Second Life

2008年に脱サラした主婦が開業して店を始めるまで〜始めてからの約2年間の記録

Till There Was You

偶然見つけた、井上陽水氏の作曲秘話。
 

サントリーローヤルのCMソングだった1991年3月発売のシングル「TOKYO」のネタ元は
ビートルズの「Till There Was You」だと自ら語っている。
 
2つを比較して聞いてみる。
 

 

 
なるほど。
こうして堂々とネタを明かせるのは、陽水氏が自分の作り上げた作品に自信があるからなのか、
名曲は名曲を産む、という証なのか。
 
「Till There Was You」という曲を知らなかったので、少し調べてみると、
この曲はビートルズのオリジナル曲ではなく、『The Music Man』というブロードウェイミュージカル(1957年初演)のために書かれた曲で、『The Music Man』は1375公演を記録する大ヒットとなりトニー賞を受賞、
1958年に発売されたオリジナルキャストアルバムはビルボードチャートで12週1位となり、245週に渡りチャートインを記録したという。
 
翌年、「Till There Was You」はAnita Bryantがシングルとして発表、ビルボードチャートの30位を記録。
 
 
 
そして1962年には、『The Music Man』がアメリカで映画化される。
 
※「Till There Was You」は
 1:15あたりから。
 
ビートルズが歌ったものは1963年リリースの『With the Beatles』というアルバムに収録されているが、
ポールが「Till There Was You」を知ったのは『The Music Man』からではなく、
イギリスで1961年に発売されたペギー・リーのヴァージョンだったそうだ。
 
 
アメリカでは1960年に発売されたアルバム『Latin Ala Lee / Peggy Lee』に収録されているが、
チャートインしたシングルとしては記録されていない。
イギリスでのヒットもそれほど大きなヒットではなかったようだが、
ポールの従姉がこの曲をポールに紹介したことから1962年にビートルズのレパートリーに加わったのだという。
 
その後、『The Music Man』は1980年、2000年にブロードウェイで再演され、
2003年にはテレビ映画としてABCで放送された。
 
 
こうしてスタンダードとなった「Till There Was You」は、
 
 
 陽水氏の「TOKYO」に流れる、"古き良き、粋な街・東京" 同様、
「Till There Was You」には "古き良きアメリカのラブソング" としてアメリカ人にもイギリス人にも愛されている曲のようだ。
 
今はすっかりアメリカ在住歴の方が長くなったポール・マッカートニーの5年前のパフォーマンスも。
 
 
 
実に60年以上も愛され続けている名曲。
ライブで踊っているカップルや老夫婦が微笑ましい。
そんな名曲を教えてくれて、ありがとう、陽水さん。